あすにゃんの やっぱり『ナルニア』!!!!

『ナルニア国物語』にまつわるあれこれです。

01『ライオンと魔女』 003☆☆☆キャラクターの描き分け

 一般にラノベでは異世界に行ってしまうのは主人公ひとりですが、『ナルニア国物語』では四人のきょうだい共々。

 ルーシーが、どちらかというと「おとなしめ」で「常識派」なのに対して、エドマンドはとても魅力的なキャラクターです。何かというとすぐ反発するし、ウソも平気。ルーシーの兄とはとても思えない。
 
 わたしのネ友で、ナルニア国物語を読んだことのある人がおりましてね。
「ルーシーはいい子すぎてつまんない。なんでアスランが気に入ってるのかさっぱり見当がつかない」
 と言ったことがあります。
 たぶん、それには、キリスト教のいわゆる、
「神の選び」
 という無言のメッセージが込められているのかもしれません。


 どんなに人間が努力しても、けっきょく神が選ばなければ、人間は救われないという思想が、キリスト教にはあるんですね。


 救いにあずかるには、神を全面的に信頼し、その選びを勝ち取るように、行動しなければならない、という教派もありますが、最初から「神の選びにあずかることが出来たのだから、わたしらは偉い!」という発想の教派もあるから侮れません。


 何はともあれ、ルーシーがいい子に対して、エドマンドは典型的な悪い子。
 だからこそ、『ライオンと魔女』の物語は成立しています。


 けっきょく悪こそが人生には不可欠なのだ、と読むことも出来るかも。


 そこまで考えて原作者C.S.ルイスが作っていたかどうかはわかりませんし、うがちすぎかもしれませんが、少なくともエドマンドがいなかったら、魔女ジェイディスも悪巧みをする隙はなかったわけです。
  人との出会いって、いろいろですね。