この『ライオンと魔女』では、
ピーターが長男、スーザンが長女でエドマンドが次男、末っ子がルーシー
ということになってますが、最初 瀬田貞治先生の訳を読んだときはそれが飲み込めず、なんどか読み返して納得しました。
英語圏では、長男や次男には、あまり意味がない、とそのとき実感しました。
ともかく、カーク教授の広い屋敷に、しばらく泊まることになって、気の弱いルーシーはこの屋敷が不気味であることにおびえてしまいます。音を感じて「あれはなに」、と口走ったり。
「ただの鳥だよ、ばーか」
いちいちつっかかってるエドマンドは、ルーシーのいい子ぶりをやっかんでいるのでしょう。
小さな子にも、ちゃんと負の感情がある。
ちょっと残念なのは、ペベンシーきょうだいが、どんな姿をしているのか、ほとんど描写がないこと。
とはいえ、そのカーク教授の屋敷が、相当な田舎だということは、きょうだいのセリフでもうかがい知れます。
明日、外を探検しよう、と長男のピーターが提案するものの、翌日はザアザア雨が降っている。
スーザンは、ラジオや本で暇を潰そうと提案しますが、ピーターは屋敷探検を提案します。みなは大賛成。
そこから『異世界へのどこでもドア』を見つける話になっていくんですね。
角野栄子は、
本の表紙は物語のドア
だと言ってました。
多大なる物語の影響です。