あすにゃんの やっぱり『ナルニア』!!!!

『ナルニア国物語』にまつわるあれこれです。

01『ライオンと魔女』 005☆☆☆衣装だんすとタンスにゴン

折からの雨でせっかくの外出がボツになり、屋敷探検をすることになったペベンシーきょうだい。

 とある部屋でルーシーは、衣装だんすを見つけ、中に入り込みます。


 その際、樟脳玉(しょうのうだま)が転がった、という描写が、なにげなく書いてあるんです。イマドキの子に、樟脳玉ってわかるかしらん。

 

  だって「タンスにゴン」の時代ですよ?

 

   あの樟脳の独特の匂いも、じゃりじゃりした白い小さな玉も、知らない子が多いだろうなと思うと、寂しい気持ちになります。(イギリスにも樟脳があったというのは驚きですが)

 

        ☆   ☆   ☆


 この衣装だんすに入るとき、ルーシーは扉を少し開けることを忘れていません。ピッタリ閉めるのはバカな子のすることだと知っていたからだ、と作者は説明します。

 

 この本を読んだ幼い子どもたちが、バカなマネをして窒息しないように配慮したのだという論も見たことがありますが、このあとエドマンドがピッタリ扉を閉めた描写があるので、ルーシーとエドマンドの性格&頭のできの違いを描写したかったのでは、と憶測します。

 

 
 衣装だんすの奥へ、奥へと進むルーシーは、やがて雪景色のナルニアへとたどり着きます。このシーンは、ナルニア国物語中でもっとも有名なシーンです。印象的で神秘的、そして美しい世界の物語が、いま、はじまるのです。

 


昨今、アクションから入る物語も多いですが、この『ナルニア国物語』シリーズは、アクションはほとんどありません。ほんとうのファンタジーは、アクションなしでもじゅうぶんだということを、原作者C.S.ルイスは語っているのかもしれません。