エドマンドのもとへ現れた魔女の名は、ジェイディスと言います。
この本の中にはちょっとしか出てきませんが、第6巻にあたる『魔術師のおい』で、その名が出てきています。(この魔術師のおいが、のちのカーク教授という話の展開になってます)。
この魔女の出現シーンは印象的です。まず、鈴のいっぱいついたハーネス。真っ白いトナカイ。魔女の乗っているそりに、あごひげの長いドワーフ。
雪の中でそりが鈴を鳴らしながら走る、というところは、どこか「サンタクロース」を連想させますが、ジェイディスはそんな優しいキャラクターじゃない。
自分は女王だと威張ってるんです。
エドマンドが、それは知らなかったとオドオド。自分は小学生で、いまは夏休みだと説明します。
さんざんルーシーを「ウソつき」とか言っていたエドマンドが、女王の傲慢さに あてられてビクつくさまは、少し滑稽です。
エドマンドはこのジェイディスを見て、めっちゃ背が高いという感想を抱いていますが、もともと彼女は巨人の娘という噂がある、というナルニア人の証言があったりします。
女王ジェイディスが、ここまで出張ってきたわけ。
それはルーシーの追跡です(言うまでもなく)。
自分の王位をおびやかす存在である「人間」を、排除するのが彼女の目的。
ということは、ナルニアには人間はひとりもいないってことです。
どこかのラノベで、「人間が最強」異世界の話がありましたが、アイデアはここから来ているのかもしれません。