タムナスに起こったおそろしい出来事を目のまえに、まごまごしていたペベンシーきょうだい。そこへ現れたのは、コマドリでした。
ルーシーは、コマドリを見つけて「あとをつけましょう」と言い出します。
どっちの側かわからない、罠にはめようとしてるかもというエドに、ピーターが「自分の読んだ物語では、コマドリはいい小鳥だった」と反論し、実際、いい小鳥だったことがわかります。
ここでわたしの思い出すのは、バーネット夫人の『秘密の花園』です。この物語でも、コマドリが出てきます。
主人公はメアリーという、ひねくれ者の女の子。都会から田舎のヨークシャーにやってきます。両親が死んだので、親戚に引き取られたんですね。メアリーはコマドリに導かれてとある庭を見つけます。
その庭の美しさといったら!
メアリーは雑草を引き抜き、手入れを始めます。そして徐々に心と体の健康を取り戻していき、そればかりか、いとこのコリンの病気まで治しちゃうというストーリーなんですが、それはともかく。
英国では、コマドリは善の象徴であるらしいのです。吉兆を告げる鳥、春の予告をする鳥など、さまざまな物語やエピソードに登場すると言われています。
コマドリは、もちろんアスランの変身した姿だと思われますが、だからこそエドはいろいろ疑念を口にしてじゃまをするのです。ピーターはまともに取り合いませんが、エドマンドの、「帰る路が判らないぞ」ということばに、はったと現実に戻るのでした。