9章でエドが石のライオンに恐怖し、それが石像だと知ってアスランだと思っていたずら書きをするシーンがあります。おちゃめなシーンです。
そして10章の冒頭では、ミセス・ビーバーがのんきに旅行に食べ物を持って行こうとするシーンが挿入されています。
こういう細かいところでホッと一息したかと思ったら、追跡されて逃亡するシーンが続きます。退屈させない作り方です。ただ、描写が続くので、それがつまらないといえばつまらない。そんな一行のところへ、サンタクロースが現れるのです。
異世界ファンタジーにサンタクロースというところに違和感がある人もいるようですが、わたしはさほどではありませんでした。
『ナルニア国ものがたり』は背景がキリスト教です。サンタクロースは、幼子イエスに3人の賢者がプレゼントを持ってきた故事に由来しており、キリスト教的背景だとバッチリわかります。
わたしが違和感を感じたのは、平和的なプレゼントをするはずのサンタクロースが、ピーターたちには剣や弓矢、短剣や万能薬という、戦いのための備えをプレゼントしたことでした。白い魔女と対決するのは、話し合ってからの方が良かったのでは? と思ったのは、わたしが日本人の和の影響下にあるからでしょうか。