さて、いよいよアスランが近づいてきたため、予言が成就するかも知れず、エドマンドに利用価値がなくなってきたと考えたジェイディスは、エドマンドを殺そうとします。エドマンドが木にくくりつけられてナイフを振り上げられたまさにその瞬間、救助隊が現れてエドを救助するのです。
ご都合主義的展開ですが、その後のいきさつは白い魔女とドワーフに有利に展開します。魔法の杖を持っている魔女が、救助隊が来たのを見た途端、変身の術で切り株や丸石に変身し、難を逃れてしまうのです。
エドマンドは救出されましたが、ジェイディスのほうも軍を集めて対抗しようとします。でそのあと現れたジェイディスは「いにしえの魔法」を口にして、裏切り者は自分のものだと主張します。
つまり、エドマンドの命は、まだ完全に救われたわけではなかったのです。
アスランは、ある提案をしてジェイディスにエドマンドの命を諦めさせるのですが、このあたりを不満だという人もいます。
その人のいうには、
「ターキッシュ・ディライトを食べたいだけなのに、命を奪うってやり過ぎ」
だというのです。
子どもの本にしては、ハードなストーリー展開ですし、おやつを食べたい子どもにとっては、たかがお菓子くらいで命を奪われるのは怖い話です。アスランがその代償に払う犠牲を考えると、その疑問は当然あるでしょう。
もっとも、ジェイディスの冷酷さを描写するには、こういうところはアリだとわたしは思っていますけれど。